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「ブラックダリア」は自己責任

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著名人やライター、評論家の寄せる映画評やコメントを当てにするか?
ノー!
ボックスオフィスナンバー1とか何週間、第一位とか何十万ドル突破!に釣られるか?
ノー!
賞受賞に惹かれるか?
ノー!

ブライアン・デ・パルマは自己責任で映画に望まなくてはいけない。映画会社が命とするそれらの宣伝文句を鵜呑みにして出掛けると、数本に1本は「うそ?ん…」という帰り道をトボトボ行くことになる。そう宝くじを買った気分。かなり高確率で当たるはずの宝くじを買ったような気分で臨むのが彼の映画にはふさわしい。なにゆえ?単純明快、当たれば大きい、外れても大きい、彼が作る映画の出来ゆえにだ。殺しのドレス、スカーフェイス、カリートの道、カジュアリティーズ、ファントム・オブ・パラダイスはベスト5。ボディダブル、スネークアイズ、ファムファタール、フューリー、ミッドナイトクロスはワースト5。それ以外は見終わった後にポカーンとしてしまった作品か見ていない作品のどちらかである。

デ・パルマはたくさんのアイコンを登場させる監督だ。

アイコン達は見る私の脳の中を歩き回り、「私が見ているものは一体?」という迷宮へと誘い込む。それでもベストに選んだ作品たちはその企みが見事に実を結び、結末を迎えるその瞬間、その映画をきちんと理解できた恍惚感を与えてくれる。しかしワーストに選んだ作品たちは、ここまで引っ張ってこれか!?というお寒い結末や見せすぎて、途中から「そんな気はしてた…」という気分にさせられたものたちである。彼は独特の映像美とよく言われるが、私はその良さを独特の粘着質だと思っている。登場人物を丁寧に丁寧に描くあまり、それらの関係が薄くなってしまったり、物語が見えにくくなってしまうのだが、一人一人の登場人物がどういう人物であるのかをこれでもかと見せる。感情移入が出来る人物が一人は出てくるが、理解しがたいキャラクターを登場させ、その飛び道具に物語を大きく展開させるというやり方がデ・パルマ、そしてそれを可能にも不可能にもできる監督が彼だと思っている。

ブラックダリアを見る。

実際にあった事件であるが、本作はジェームス・エルロイが執筆した小説に基づいている。エルロイ原作と言えば「LAコンフィデンシャル」という秀作があるけれど、比べて、どうか。登場人物の背景を客観的に描き、物語が粛々と進んでいく、そして衝撃のラストが待っているそれと比べて、寄り道が多く、思い入れが過ぎたか、デパルマという印象を持った。これは特に見る人の自己責任で見なくてはいけない映画だとも思う。CFはほぼあてにならないし、公式に集まっている著名人のコメントでこの映画のなんたるかを言い得ている人も少ないと感じる。いいとも悪いとも言いがたい、問題作というものでもなく、佳作なのだ。テーマがセンセーショナルなものであるかのように映画会社が売っているだけに、それを期待していくと、完全に裏切られる。

ブラックダリアは物語の中のたったひとつのアイコンでしかない。
スカーレット・ヨハンソンのエロさは際立っていて、いい。
ジョシュ・ハートネットも翻弄されすぎる男を具合よくヘタレに演じている。

ぐらいか。
あとは自己責任で。
Posted by315